労務コンサルタント

キャリアアップ助成金 正社員化コース

有期契約社員やパート・アルバイトや派遣の従業員の方には正社員として働きたいと希望している方がいらっしゃいます。
雇う側の企業としても、人件費への懸念など正社員雇用を躊躇しているような面があることも否定できない事実です。

 

そこで、この助成金を利用することで企業様の費用的負担を軽減し、また労働者としては安定した雇用状態を得ることが出来ます。
詳しく解説していきます。

 

キャリアアップ助成金を取得できる事業所とは?

・雇用保険に加入していること。
・キャリアアップ管理者を置き、キャリアアップ計画を作成し労働局に認定を受けていること。
・法定帳簿を整備していること。
・下記に該当しない事業主であること

 

@ 支給申請した年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主
A 支給申請日の前日から過去1年間に、労働関係法令の違反を行った事業主
B 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業を行う事業主
C 暴力団と関わりのある事業主
D 暴力主義的破壊活動を行ったまたは行う恐れがある団体等に属している事業主
E 支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主
F 支給決定時に、雇用保険適用事業所の事業主でない事業主

 

 

対象となる従業員

 

・支給対象となる事業主に通算して6ヶ月以上雇用されている有期契約労働者
・支給対象となる事業主に6ヶ月以上雇用されている無期雇用労働者
・6ヶ月以上継続して同一の業務に従事している派遣労働者
・支給対象となる事業主が実施した有期実習型訓練を受講し、それを修了した有期契約労働者等

 

また下記の内容に該当しないこと

・正規雇用労働者として雇用することが約束されて雇用された有期契約労働者等でないこと
・有期契約労働者等から正規雇用労働者に転換および直接雇用される場合、当該の転換日、直接雇用日の前日から過去3年以内に当該事業所において、正規雇用労働者として雇用されたことがある
・無期雇用労働者に転換および直接雇用される場合、当該の転換日、直接雇用日の前日から過去3年以内に当該事業所において、正規雇用労働者または無期雇用労働者として雇用されたことがある

 

助成金額

 

@有期契約労働者から正規雇用労働者への転換
1人あたり
                   生産性要件を満たす場合
中小企業の場合    57万円     72万円  
大企業の場合   42万7500円     54万円

 

A有期契約社員から無期契約社員
1人あたり
                   生産性要件を満たす場合
中小企業の場合 28万5000円     36万円  
大企業の場合   21万3500円     27万円

 

B無期契約社員から正規雇用労働者への転換
1人あたり
                   生産性要件を満たす場合
中小企業の場合 28万5000円     36万円  
大企業の場合   21万3500円     27万円

 

1年度1事業所あたり20名までが上限になっております。

 

加算要件

派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者または多様な正社員として直接雇用した場合
上記@Bに限ります。

 

                   生産性要件を満たす場合
企業規模問わず   28万5000円     36万円  

 

母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合・若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合
上記@Bに該当する場合

 

                   生産性要件を満たす場合
企業規模問わず   9万5000円     12万円  

 

上記Aに該当する場合

 

                   生産性要件を満たす場合
企業規模問わず   4万7500円     6万円 

 

勤務地、職務限定正社員制度を新たに規定し有期契約労働者等を当該雇用区分に転換または直接雇用した場合
※1回のみ
                   生産性要件を満たす場合
中小企業の場合 9万5000円      12万円  
大企業の場合   7万1250円       9万円

 

支給要件

 

・6カ月以上の勤務実績のある対象労働者であること。
・正規雇用転換後、転換前より5%以上の賃金改善を実施していること。

 

手続きの流れ

 

@キャリアアップ管理者を選任する。

 

Aキャリアアップ計画書を作成し、労働局の認定を受ける

 

B就業規則の内容を整備して、労働基準監督署に提出する。
(労働者が10人未満の届出義務のない事業所の場合は別途申立書が必要になります)

 

C就業規則に定められる基準と任用試験を実施して正社員として登用する。

 

D正社員として5%以上上昇した賃金を支給する。

 

E正社員転換後6カ月目の賃金支給日から2カ月以内に申請をする

 

F労働局による審査(6カ月から1年ほどかかる場合があります)

 

G助成金支給
※申請に虚偽がある場合、労働法に抵触する場合などは助成金の返還になる場合があります。

 

よくある失敗

 

・キャリアアップ期間外で正社員登用をしていた。
相談で多いのは正社員登用した後になって助成金使えませんか?という内容です。

まずは、計画書を提出していなければなりませんし、その計画書に定められた期間内での取り組みである必要があります。

 

・就業規則が要件に適っていない
こちらも非常に多いです。
就業規則を作成してから時間が経過している。
就業規則をネットから拾ったものを使用している。
等の場合はまず、要件にあっていないと考えてもよいと思います。
また、助成金にあった内容に整備しなければなりませんので予め確認をしておくことをおすすめいたします。

 

・賃上げ要件を満たしていない。
5%以上の賃上げの要件を満たしていない場合も多くあります。

 

転換前 200,000月額
転換後 220,000月額

 

これだけ見れば10%の上昇率になっており要件を満たすと考えられます。
しかし、賃上げ要件の算定に含めない賃金の中に残業手当などが該当します。
例えば

 

転換前 200,000月額
転換後 220,000月額(内20,000円は固定残業手当とする)

 

このような場合は賃上げ率0%で支給要件を満たしません。

 

また、賃金の計算方法に変更があった場合は更に注意が必要です。

 

月給→月給

 

であれば算定は単純ですが、

 

時給→月給
日給月給→月給

 

などの変更があった場合は、算定方法が複雑になり要件に合っていないとなってしまう場合があります。

 

・出勤簿などの帳簿が法定のないように沿っていなかった
申請時に転換前後6カ月間の出勤簿と給与台帳が必要になります。
そもそも、備え付けていない場合や内容が適切でないケースがあります。

 

・申請期間を過ぎてしまった。
6カ月目の給与を支給した日から2カ月以内が申請期限です。
正社員登用後6か月後になりますので、忘れてて・・・といった場面も少ないありません。

 

 

 

比較的要件が分かりやすい本助成金ですが、気を付けなければならない点は意外と多くあります。
スケジュールをしっかりと組んで漏れのない計画を立てることが必要であると思います。

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