高山市の社会保険労務士・行政書士 手塚傑事務所

労働保険新規適用

労働保険とは「労働者災害補償保険」と「雇用保険」
の2つの総称したものです。

 

労働保険に関する手続きは以下の通りです。

 

対象事業

労働者を一人でも使用している事業は、原則として全て強制加入です。
保険関係は、その事業が開始された日、または適用事業所になった日に当然に成立します。

 

しかし、以下に該当する事業は暫定任意適用事業とされており、その事業に使用されている労働者の意思に委ねられます。

 

■労災保険の暫定任意適用事業

 

個人経営の農林水産業でかつ次の要件に該当するもの

 

・常時5人未満の労働者を使用する事業で、一定の危険又は有害な作業を主として行う農業ではなく、かつ事業主が農業関係の特別加入をしていないこと。
・常時には労働者を使用せず、かつ年間使用延べ労働者数が300人未満である林業
・常時5人未満の労働者を使用する水産業であって、総トン数5トン未満の漁船または主として河川、湖沼、特定水面において操業するもの(船員を使用して行う船舶所有者の事業でないものに限る)

 

※暫定任意適用事業に使用される使用者の過半数が加入を希望すれば事業主は加入の申請をしなければなりません。

 

■雇用保険の暫定任意的用事業
次のいずれにも該当するもの
・個人経営の事業
・農林水産の事業(水産業においては船員が雇用される事業でないこと。)
・常時5人未満の労働者を使用する事業。

 

※暫定任意適用事業に使用される使用者の1/2以上が加入を希望した場合は事業主は加入の申請をしなければなりません。

 

手続きの流れ

 

労働保険は、労災保険と雇用保険を併せて1つの保険関係として扱う「一元的用事業」と事業の実態上、労災保険と雇用保険をそれぞれ別個に取り扱う「二元的用事業」に分類されます。

 

それぞれで手続きの方法が変わりますので、まずはそちらの確認をしてください。

 

一元適用事業
・二元適用事業に該当しないもの

 

二元的用事業
・農林、畜産、養蚕、水産の事業
・建設の事業
・港湾労働法2条2甲に規定する港湾運送の事業

 

一元適用事業が成立した場合

 

「保険関係成立届」を保険関係が成立した日から10日以内管轄の労働基準監督署に提出します。

 

また、保険関係が成立した日から50日以内に「概算保険料申告書」を管轄の労働基準監督署に提出します。

 

●必要書類
・保険関係成立届
・概算保険料申告書
・法人の場合は登記事項証明書
・個人の場合は代表者の住民票

 

そちらの手続きが終了後、雇用保険の手続きを行います。

 

事業所設置の日から10日以内に「適用事業所設置届」を管轄の公共職業安定所に提出します。
それと併せて、従業員の雇用保険加入手続きが必要ですので「被保険者資格取得届」を資格取得のあった日の翌月10日までに提出します。

 

●必要書類
・適用事業所設置届
・被保険者資格取得届
・保険関係成立届の控え
・賃金台帳・雇用契約書・労働者名簿、出勤簿

 

※公共職業安定所によって若干の違いが御座いますので予めご確認することを推奨しております。

 

二元適用事業が成立した場合

 

労災保険と雇用保険をそれぞれ別々での届出が必要です。
期日は一元適用事業と同様に保険関係が成立した日から10日以内に届出、
50日以内に概算保険料申告書を提出します。

 

雇用保険の「被保険者資格取得届」は一元適用事業と同様の手続きになります。

 

●必要書類
労働基準監督署
・保険関係成立届
・概算保険料申告書

 

公共職業安定所
・保険関係成立届
・概算保険料申告書
・適用事業所設置届
・被保険者資格取得届

 

※添付書類は一元適用事業と同様です。

 

保険関係成立届を怠った場合

それぞれの法律により「6カ月以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金」が
課せられることもありますが、それ以上に不利益が生じます。

 

@保険料の強制徴収や追徴金の徴収
行政からの指導があったにも関わらず、引き続き加入手続きを行わない場合は、
過去に納めていない期間についても遡って徴収し、更には追徴金(10%)も徴収されます。
それでも、支払わない場合、財産の差し押さえなどの処分が行われることもあります。

 

A労働災害が生じた場合に労災保険の給付額の一部又は全部を徴収する。
故意、又は重大な過失により労災保険の加入手続きを行わない事業主に対して
労災保険の給付が行われた場合は、給付額の全部又は一部(40%又は100%)を事業主より徴収します。

 

B助成金が利用できない。
労働保険料を確実に納付していないと、各種制度を利用することが出来ないということは間々あります。

 

 

労働保険の新規適用についてのご説明でした。
事業開始時や法人設立時は、事業へのリソースが大きくついつい忘れがちな手続きではないでしょうか?
しかし、万が一労災事故などが発生した場合に事業主負担ともなると、最悪の場合事業の存続さえも危ぶまれる状況になり兼ねません。
もしも、まだ手続きが完了されていないのであれば是非ご相談ください。

 

ポイント
・労働保険とは「労災保険」と「雇用保険」である。
・それぞれ適用事業の範囲が異なっている。
・届出忘れの罰則は非常に重くなる可能性がある。

 

 

 

 

 

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